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2007年2月12日 (月)

私が何故「ローコストでリニューアル」の会社を立ち上げたのか

私が何故「ローコストでリニューアル」の会社を立ち上げたのか
私は照明デザイン事務所で、社内外注として働いていました。
ある日、メールで「ホームページを拝見しました、シャンデリアを交換したいが、デザインしても
らったらいくらぐらいだろう?」とのメールが
来ました。現状の写真を送っていただきましたが、全体の雰囲気が写真で
は判らないので、適当に(スイマセン!)このぐらいって答えました。
しかし、その若きオーナーは、宴会場、個室、レストランなど、独自のデザインでリニューアルしいてい
たのです。それを見て私は目玉が飛び出すくらいの衝撃を受けました。
あまりに恰好良いと。。。
私は仕事柄、世界一流といわれるインテリアデザイナーとたくさん仕事をしてきました。
CHANEL銀座では、ブティックの第一人者ピーターマリーノ、ヒルトン東京ベイでは、レストランデザイン
ではあまりにも有名なジェフリービアーズ、ラディソン都ホテルではホテルデザインでは世界一の
ハーシュアンドベトナー、あるいは日建設計
そうしたら、そのオーナーが、
一度来て話しを聞いてほしいと
のこと。まあ、そんなに遠くな
いし、興味半分、シャンデリア
なんてオリジナルで作ったらも
のすごく高いし、適当に既製品
を勧めて帰ってこようと思って
いたのです。(スイマセン)だ
から仕事をする気はまったくあ
りませんでした
(スイマセン!!!)
それでオーナーにお会いしたの
ですが、まだ若く、とてもス
マートな立ち振る舞いの方で、
そこは先代が作ったもので、す
でに25年は経過していて、
お世辞にも良いとはいえない状
態でした。
そんな私は十分目が肥えている自信がありましたが(笑)、彼のデザインした空間はそれに匹敵するぐ
らいのクオリティでした。改装は天井にまで及び、総リニューアルです。非常に素晴らしいと彼を絶賛
しましたが、彼は私にいいました。「実は今回はシャンデリアだけではなくロビー、エントランス、廊
下なども含めて全体をリニューアルしたいのだが、費用が無いんです。」
たしかにそのとおりで、そこまでやると通常、億単位の資金が必要になります。現状ではそんなに
資金を投入できない。。。
しかし、どうしてもリニューアルは必要でした。
そこで彼が私に提示した金額が○○○万円。これでシャンデリアも含めてのリニューアルをしたいという
んです。当然この中には、私のデザイン費用、照明器具費用、電気工事費用も含んでの話です。
通常であれば、改修範囲を考えれば、どう考えたって出来っこありません。シャンデリアだけで
予算の半分ぐらい吹っ飛びます。しかし今回はカーペットをどうしても変えなくてはならなくて、どうし
ても照明にはそれぐらいしか予算は掛けられなかったのです。
そして時間の制約もありました。予約が入っているため、リニューアルの工事期間は3日しかありません
でした。うーん、、、かなりきつい。。。でもその若きオーナーの熱意に絆され、引き受けることに
しました。
ところが。。。
実は何回か照明は追加されたりしてリ
ニューアルしていて、よく見るとどう考
えても不必要と思われる照明器具がたく
さん付いていました。また電気図は竣工
当時のものしかなく、現状とは合致して
いませんでした
また、建築図も古いので、現状とはかな
り違っていました。これは建築図を新た
に起こすしかないな。。。
しかし、不必要な照明はどうしよ
う。。。それを取って天井を補修した
ら、照明器具よりも高額になってしま
う。。。
そこで考えました。
シャンデリアはやはり意匠的に重要なので、ある程度の金額を確保し、その残った予算
で、ここは絶対に必要というところのみ照明器具を追加し、既存の照明器具はそのまま使
うこととしました。しかしそれでは雰囲気を変えることは出来ないので、既存の照明器具
のランプのみを交換することにしました。
あるところでは、ランプのW数を下げたり、上げたりして、空間に抑揚を持たせようとし
ました。
そして照明デザイナーの秘密の小箱、調光器を導入し、省エネとランプ寿命の延長を計り
ました。
ある程度の方針が決まり、オーナーと私はシャンデリアの選考に入りました。ここはエン
トランスが吹き抜けになっており、シャンデリアはお客様をお迎えする重要な顔でもあ
り、華やかさもほしいが、和風の雰囲気の要素も必要と。。。そんなシャンデリアはなか
なかありません。悩みに悩んで、これならどうですと私がオーナーに差し出したシャンデ
リアはイスラエル製の日本国内にはまだ入ってきていないものでした。オーナーはたいそ
うお気に入りで、値段を調べると、なんとか予算内に収まりそう!
これで設計図を進め、ある程度図面が出来上がった頃、また大きな問題が勃発したので
す。。。
そのシャンデリアメーカーは日本の輸入代理
店を探している最中でした。とりあえず正規
ではないが、そのメーカーを扱う代理店にか
らシャンデリアの見積もりが届いたら、さあ
大変、値段が想定の倍になっている!!!
内訳を見ると、送料や関税、保険代などの
シャンデリア本体以外の輸入経費が本体と同
じぐらいの金額になっている。。。値段の交
渉をするも、あまりに遠い国からのものなの
で、代理店もどうしようもないとの回答。ど
うしようもないので、オーナーに事情を話し
たら、期待が大きかっただけにかなり落胆
されてました。しかし、この期に及んで、
シャンデリアの予算を倍にするわけにはいか
なかったのでオリジナルデザインで行くこと
にしました。でも、逃がした魚は大きいでは
ないですが、一度心を奪われたものから急に
はなかなか他へはいけません。まるで恋愛の
ようですけれど(笑)。しかし、さすがオー
ナー立ち直りが早く、すぐさま新しいアイデ
アを出してきました。結局、オーナーのアイ
デアが良かったのでそれを現実化する方向で
進めることにしました。
各施工業者から見積が上がってきて、だいた
い予算に収まるようにも業者の皆さんも協力
していただいたので、これでようやく工事に
入れる準備ができました。
それから数日経ち、とうとう工事初日を向かえました。私はもう業者のかたには説明も終わったし、
最終日にいけば終わってるだろうと思って、事務所で仕事をしてました。
実は最大のピンチが待っていました。。。
その日の夕方突然オーナーから緊急の電話!「やばい、すぐに来てほしい!」!!!
あせるオーナーに状況を訊いたところ、電気屋さんが交換するランプや照明器具を間違って発注して
しまい、工事がストップしてしまったとのこと!!!時期が時期だけに、問屋さんも閉まっていて、
どうやってもランプや照明器具が手に入いらない。。。これでは工事が終わらない!
大ピンチ。。。
すぐさま電気屋さんに連絡を取り、何が間違ったのかを確認したところ、肝心の
交換するランプが間違って発注してしまったとのこと。電気屋さんも忙しくて、
よく、内容を把握してなかったようで、届いたものをいざ付けようとしたら合わ
なかったという冗談みたいな話。。。まあ、間違いはよくある話なのですが、時
期が時期だけに、ランプを揃えることができるかどうか???。
そのまま、秋葉原へ行き、ありったけのランプを買い込み、すぐに電車へ飛び乗
りました。
そうして現場へ到着すると、なんか殺伐とした雰囲気。。。実は間違ったのはラ
ンプだけではなく、新たに交換する照明器具も間違ってました。。。また施工図
もまったく出来ておらず、そんな状態で工事に入ってしまい、物が無い、段取り
悪いで、職人さんは仕事が進まず苛々して、他の工事の職人さんと一触即発しそ
う。。
オーナーの緊急連絡の意味がようやく飲み込めました。。。
こりゃまずい。。。お先真っ暗。。。工事終了まであと36時間。。。
そんな殺伐とした雰囲気の中で、現場監督の青年はとてもしっかりした男で、自分よりも二周り以上も年
齢が離れている職人さん達を采配していて、それを見てこちらもぼやいてばかりはいられないと思い、先
ずは電気屋さんと現状の確認を始めました。照明器具は間違ったり足りなかったりでしたが、なんとか使
えそうなものもあり、多少の変更は目を瞑って作業を進めてもらいました。
それでもランプと照明器具がどうしても足りなくなり、その日は戻り、事務所の倉庫を探し、次の日また
秋葉原へよってランプを購入して現場へ行きました。
現場で悪戦苦闘していると、もうすっかり日が暮れ、ランプが点灯し始めると、段々雰囲気が良くなって
くるのが実感として判るようになってきました。でも残された時間は12時間を過ぎ(朝8時!)
それまでには調光器の設定も終わらせなくては!職人さん達の疲れもピークを迎えていました。その頃に
は職人さん達ともすっかり仲良くなったので、設計図には記載されていなかったこちらで持ち込んだ追加
の器具を付けてもらえました(笑)それにより照明効果は格段に上がりました。
その結果。。。
オーナーは大変喜んでくれました。いろいろ大変なところもありましたが、私も達成感があり楽しかっ
た。
そこで私は考えました。オーナーと直に仕事をする喜び、照明の効果の大きさを。
大規模施設などの物件の場合、我々照明デザイナーはインテリアデザイナーやコンサルタントの下で、
オーナーとは直接話しをする機会も無く、黙々とデザインしていました。たしかに有名なデザイナーと
の仕事はそれなりに面白く、またネームバリューも上がるので都合が良かったのですが、ホテルオー
ナーのリニューアル費用はべらぼうな金額になってたのも事実なのです。
全国で、リニューアルしたくても出来ないホテルがたくさんあると思います。でもこのオーナーのよう

上手くデザイナーや業者を使えば、とっても少ない予算と時間で、十分効果のあるリニューア
ルができる。
今まで、10年に1回のリニューアルの期間を延ばして、照明だけで雰囲気を変えていく。。。
それで資金を貯めていただき、今度は一流のデザイナーに仕事を依頼する。
そんなことができたら素晴らしいと思い、この仕事を始めたわけです。

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